上肢の機能障害について

上肢の機能障害は、上肢の各関節の運動制限(可動域制限の程度)とその部位によって、後遺障害等級が定まります。

①ここでいう関節は、肩関節、肘(ひじ)関節、手関節(3つを上肢の3大関節と言います)を言います。

②「関節の用を廃した」とは、関節の可動域が原則として健側の可動域の10%以下に制限されている場合(完全強直)を言います(8級)。

つまり、障害のある方の関節が、障害のない側の関節の可動域と比較して1割以下になっている場合を言います。

③「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して2分の1以下に制限されている場合を言います(10級)

④「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して4分の3以下に制限されている場合をいいます(12級)。

⑤8級に該当する関節の用を廃したものが、複数ある場合には等級があがって、一つの後遺障害が認定されます。

⑥動揺関節がある場合も、常時固定装具の装着を必要とする場合は8級、固定装具の装着の必要性が常時ではないときは10級、通常の労働の際には固定装具の必要がないが、場合によっては必要な場合は12級が認定されます。

下肢の機能障害の後遺障害等級は次のとおりになります。

*動揺関節とは、膝を例に挙げると、前十字靱帯や後十字靱帯を損傷した場合に発症します。つまり、関節は靱帯で固定されていますが、この靱帯に損傷があると今まで支えていた機能がなくなり、あるいは弱くなり、関節を締め付けておくことができなくなります。ですから、膝が安定せず、場合によっては固定装具(ソラスターブレイス)の装着が必要となります。

 

◎上肢の機能障害

1級 両上肢の用を全廃したもの

5級 1上肢の用を全廃したもの

6級 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの

8級 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

10級 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

◎上肢の偽関節

7級 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの =常時硬性補装具を必要とする場合

8級 1上肢に偽関節を残すもの =ときには硬性補装具を必要とする場合

12級 長管骨に変形を残すもの= 橈骨または尺骨(いずれも肘から手関節方向の骨)に偽関節を残す場合

 

◎手指の機能障害

4級 両手の手指の全部の用を廃したもの

7級 1手の5の手指または親指を含み4の手指の用を廃したもの

8級 1手の親指を含み3の手指の用を廃したものまたは親指以外の4の手指の用を廃したもの

9級 1手の親指を含み2の手指の用を廃したものまたは親指以外の3の手指の用を廃したもの

10級 1手の親指または親指以外の2の手指の用を廃したもの

12級 1手の人差し指、中指または薬指の用を廃したもの

13級 1手の小指の用を廃したもの

14級 1手の親指および人差し指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの


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