1 被害者

女子・76歳・主婦

2 死亡経緯

詳細不明

3 裁判所の判断

逸失利益 1021万7391円

H6賃金センサス産業計・企業規模計・女子労働者学歴計65歳以上の平均賃金(284万2300円)を基礎に、5年間(平均余命2分の1)、生活費控除率を40%として算出した額(744万2789円)に加え、厚生年金保険のうち遺族厚生年金について、死亡による逸失利益にあたるものとして、遺族年金の給付額(年161万5000円)を基礎に、10年間(平均余命)、生活費控除率80%として算出した額(277万4602円)を加えた額を逸失利益と認定しました。

4 コメント

厚生年金保険の遺族年金については、受給者死亡による逸失利益性が認められることは最高裁も判示しており(最高裁平成5年9月21日)、本判決も最高裁の判断を踏襲しました。また、本件では「遺族厚生年金が主に当該受給者の生活保障を目的とするものであり、支給額もかかる観点から決定されている」と、本件被害者が実際に支給された保険金の大部分を生活費に費やしたものと推認されるとして、生活費控除率は80%と高く設定されています。