交通事故の加害者が負うべき責任は、大きく分けると法的責任と道義的な責任があります。

1 民事上の責任

交通事故の加害者は、被害者に対して、被害者に発生した損害を賠償する義務を負います。

損害があるかないか、その金額は客観的に決められます。加害者が保険に入っている場合は、保険会社が肩代わりして支払いをしますが、

その内容は、加害者の加入している保険により異なることがあります。例えば、対物損害について、●●●●万円まで、といった限定がついていると、
それ以上の損害が発生していても保険会社は支払いませんので、その限度額を超える分は加害者本人の負担となります。
現在では、対人・対物無制限賠償の保険が広く販売されていますが、すべての保険が無制限ではありません。

2 刑事上の責任

加害者は、自動車運転過失致死傷罪等の刑事責任を負うことがあります。

3 行政上の責任

交通事故の場合は、道路交通法違反を伴うことが多いので、その内容によって、免許停止や取消の処分がなされることがあります。

4 道義的責任

上の3つの責任と比較すると、道義的な責任というのは内容が不明確です。
しかし、加害者として、被害者やその遺族に対してすべきことはあります。
お見舞いに行ったり、謝罪したりすることなどです。場合によっては、これらのことをすることによりかえってトラブルを招くこともあり得るので、
慎重にする必要がありますが、この道義的責任は例えば保険会社が代わりに果たすことのできるものではありません。
事故後の対応のまずさが、被害者に対する慰謝料を増額させる事由ともなりますので、真摯に対応することが大切です。