本日、日本交通事故調査機構株式会社の佐々木尋貴代表

(http://www.jikochosa.co.jp/)とお会いしてきました。

元警察官で交通関係の仕事を長くされてきた方です。

佐々木氏本人も交通事故でお子さんを亡くされるなど、

交通事故に対する思い入れがおありになり、今までの経験を生かして、事故状況についての

調査活動をされています。

交通事故問題を適切に解決するには、弁護士がいかに交通事故を勉強し、事件を経験しても自分一人の力でできることは限られています。

私も、従来から、医療関係者(医師、看護師、ソーシャルワーカーなど)、柔道整復師、後遺障害等級に詳しい専門家(主に行政書士)の方々と勉強会を開いたり、一緒に仕事をしてきました。

今回の、佐々木氏との出会いは、とても重要なものです。

なぜなら、今までこういう人を知らなかったからです。しかも、仙台にいらっしゃる。

交通事故の状況を再現したり、分析したりする工学鑑定の専門家は今までも多くいらっしゃいました。

しかし、実は、純理論的な物理や数学により算出されたデータは、あまり役に立ちません。

裁判所においても、信用性の高い証拠として扱ってもらうのはむずかしい。

それは、人間が引き起こす交通事故だからです。

人間なので、単に物理的にどうだとか、計算上こうなるというだけでは合理的な説明は困難だし、説得力ある内容になりにくいのです。

つまり、現実に突然事故を起こすような場合には、回避行動がとられたり、普通ならしない動きをしたり、動揺して何もできなかったりと人間の合理的とは限らない行動が介在します。

加えて、警察が行う実況見分自体がそもそもそれほど緻密なものではありません。

元データがぼんやりと作成されたものなのに、計算式だけピシッとしたものを入れても、出てくる答えはとんちんかんになってもおかしくないのです。

このあたりについても、佐々木氏とは共有することができました。

私にとってはとても大きな出会いです。感謝。