逸失利益を算定する際には、30歳未満の場合は、賃金センサスを用いて計算します。
それ以上の人の場合は、その人の事故の被害に遭う直前の現実の収入を基礎に算定されます。
そうすると、専業主婦の場合、家の中で仕事はしていても、家事をすることに対して給料はもらっていませんから、逸失利益はどのように計算されるのでしょう?
この場合は、賃金センサスを用いて、平均的な賃金を前提に計算がなされることになります。
専業主婦が家事をしてもしなくても、その家庭に入る収入は変わらないはずです。
ですが、専業主婦が家事をできなければ、外部の業者や家政婦さんなどに依頼しなければならない、ということは、お金がかかる。
裏返して言うと、専業主婦が家事をしているからこそ、外部の業者に支払うお金がゼロですんでいるはずだ、という考え方です。
ですから、専業主婦の場合も逸失利益は発生します。
専業主婦の方、あるいは、有職で主婦もしているという方の場合は、このように平均賃金で逸失利益が計算されます。
ですが、まったく同じ状況であっても、独身の人の場合は、逸失利益は現実の収入を前提になされます。
女性労働者の平均賃金は、約348万円くらいです(年により変動有り)。
そうすると、独身で年収200万円の人は、それをベースに算定されますので、かわいそうな結論になってしまいます。
独身で家族の世話をしている、家事をしている人は普通にいます。それでも、逸失利益の計算では不利に取り扱われてしまいます。
ここは、おかしい結論なのですが、現在の裁判実務ではそのようになっています。
当事務所では、交通事故の初回相談は無料で行っています。