1 被害者

64歳・女子・家事従事者(症状固定時67歳)

 

2 傷害の内容

左大腿骨骨折

 

3 後遺障害の内容

自算会の認定は、骨盤の変形(12級)のみでしたが、裁判所は、原告の症状を詳細に認定し、左膝関節の機能障害(12級)を認め、併合11級としました。

 

4 裁判所の判断

① 逸失利益について

裁判所は、原告の逸失利益について422万3739円を認定しました。

 

「原告は、骨盤に著しい奇形を残すものとして、後遺障害等級第12級5号と認定されているから、併合11級と認定するのが相当であり、以上を総合的に考慮すると、原告の労働能力喪失率としては、20%と認めるのが相当である。」

「これらの症状による労働能力喪失期間は、原告が自認するとおり、9年に制限するのが相当である」

②後遺障害慰謝料 400万円

 

5 コメント

通常、交通事故の後遺障害の逸失利益を算定するに当たり、労働能力喪失期間は、67歳までの期間と平均余命の2分の1を比較してどちらか長い方となります。本件においては、被害者が症状固定時において67歳だったため、被害者の請求が平均余命の2分の1として9年間の労働能力喪失期間を主張していたものと考えられ、裁判所もそのとおり認定しました。