郡山タワー法律事務所の弁護士三瓶正です。
自動車保険(任意保険)加入の際にはいくつか注意した方がよいことがあります。
すでに、何度か書いている部分もありますが、改めて。
1 人身傷害保険
ほとんどの人は、対人・対物は無制限に入っています。
ですが、人身傷害保険となると、低額で限定した保険に入っている方が多いのが現状です。
人身傷害保険は、簡単に言うと、「加害者に頼らずして自分を守る保険」と考えてください。
もう一つの特徴は、過失割合が関係ないと言うこと。
相手が任意保険に入っていない場合(不況で賃金が減少している現状からは今後ますます増えるでしょう)、加害者に対して損害賠償請求権を有していると言っても、絵に描いた餅にすぎません。
そうすると、自分が加入している保険の限度額を無制限にしておけば、かなりの部分で加害者から請求できる金額を回収できます。
(金額は同じにはなりません。慰謝料の部分は約款で金額が定まっています。ただし、逸失利益は「必要かつ妥当な範囲で」というように、抽象的にしか規定されていませんので、ここは問題があるときは、
任意保険会社に保険金請求訴訟を提起します。)
ちなみに、人身傷害保険について、5000万円をマックスに契約したときと、無制限にしたときの年間保険料は数千円であることが通常です。
万が一、生涯ずっと介護が必要になって、介護費用だけでも月に数十万円かかるような自体になってしまったら、保険金が十分におりなければ、家族の生活も苦しめることになります。
人身傷害保険には必ず入ること、そして、金額は無制限にすることをおすすめします。
2 弁護士費用特約
弁護士に対する相談料が10万円まで、弁護士に具体的に依頼した場合300万円まで出るのが通常です。
この特約に加入することで、ほとんど弁護士費用はまかなうことができます。
もちろん、高額な訴訟の場合は、弁護士費用はさらに高くなりますが、交通事故の訴訟においては、弁護士費用として加害者に全損害額の10%を請求できますので、その場合もあまり心配はいりません。
弁護士費用特約に要する保険料は、年間2000円とか3000円程度です。3000円として、今後30年間入っても10万円に満たないのです。
たかが自動車保険と侮らないでください。
自動車保険は、「自分を守るために入る保険」に変化したのです。
なお、いろんな特約に入ると保険料があがってしまうから嫌だと言う方は、車両保険をやめたらよいと思います。
もちろん、車両保険に入るメリットは大きいですが、車の修理代は、数十万円から100万円程度が多いのではないかと思います。
人身傷害保険から出るお金は場合によっては億単位になります。
そういう事故に遭わないにこしたことはありませんが、万が一のための保険です。優先順位を明確にしましょう。
どこの保険会社がよいか、というのは、私の場合は交通事故事件を扱う経験上、ここが良いという会社はありますが、特定の社名はのせられません。
上記の特約の保険料は、どこの会社でもそれほど変わらないと思います。