1 被害者 18歳 女子

2 傷害の内容 左右両下腿骨開放性骨折、両側大腿部挫創等 入院日数等不明

3 後遺障害の内容

  左下肢短縮障害(第13級9号)、両下肢醜状痕(12級相当)→ 併合11級

4 逸失利益についての判断

  後遺障害逸失利益 722万4,965円

「障害の程度、内容、該当する等級、原告が若い女性であって、外貌、服装によってある程度就職の機会が制限されうることを考慮すると、労働能力喪失率は、症状固定時(原告20歳)から10年間は20%、その
後、労働可能年齢である67歳までの37年間は9%の労働能力が喪失したとみるのが相当であって、中間利息控除に新ホフマン係数、基礎収入に平成2年賃金センサス産業計・企業規模計・女子新高卒20歳から24歳の平均
年収である239万3,300円として計算する」と判示しました。

5 後遺障害慰謝料 350万円

6 コメント

  醜状障害の場合に、30歳まで、あるいは35歳までとそれ以後67歳までに分けて、当初は高い喪失率を、後に低い喪失率を認めるケースがあります(逓減方式)。

  本判決の場合も逓減方式を採用したと見ることもできますが、自賠責等級表の11級の喪失率は20%、13級の喪失率は9%であることからすると、当初の10年間については、醜状痕についても逸失利益を認め、
それ以後は、左下肢短縮13級のみの逸失利益を認めたと評価できます。本件の醜状痕が、顔面ではなく足であることも30歳以後の逸失利益評価に影響を与えていると思われます。