１ 被害者
女子・２２歳・大学生（医学部）
２ 死亡経緯
全身打撲による失血性ショックにより即死状態
３ 裁判所の判断
①逸失利益 ９５８６万５８２円
H８賃金センサス医師（男）の経験年数計平均賃金（１０９９万４８９９円）を基礎に、２６歳から７０歳まで４４年間、生活費控除率を４０％として算出。
②慰謝料 １３００万円
上記本人分に加え、両親に各５００万円の固有の慰謝料を認定。
４ コメント
医学部所属の女子大学生の逸失利益算出について、「本件事故に遭わなければ、平成１２年３月に大学を卒業した後、医師国家試験に合格して医師の免許を取得し、同年４月から医師として稼働を開始したであろう蓋然性が極めて高いと認められる」とし、「大学卒業後医師として勤務することはほぼ確実であったことから、死亡による逸失利益算定に当たって、一般の大卒労働者の平均賃金を基礎とするのは相当ではなく、医師の平均賃金を基礎とするのが相当である」として、調査対象とされているのが男性医師のみであったことについても区別すべき事情は認められないとして、男性医師の平均収入を基礎に逸失利益を算出しました。
