郡山タワー法律事務所の弁護士 三瓶 正です。

交通事故に遭われた被害者が、症状固定の段階となり、後遺障害の等級認定の申請をして、

低い等級しか認定されなかった、あるいは、非該当となり後遺障害の等級認定がされなかった、と言う場合、

不服のある被害者は調査事務所に異議を申し立てることができます。

ただし、一度認定されたその等級(あるいは非該当)には重みがあります。

異議申し立てをしたら、簡単に異議がとおって上位の等級が認められるとは限りません。

異議申し立てをして、その異議がとおるのは、16,7%というデータがあります。

よく、行政書士の異議申し立て実績として70%から80%と記載されていることがありますが、これはこのデータがただしいとすれば、おそらく、入り口の段階で相当選んでいるものと考えられます。

現実は、異議申し立てをして、等級を上位にするには、新たな証拠を添付したり、別の医師に診てもらって診断書や意見書を書いてもらったりする必要があります。

これらの証拠を添付しても、多くの場合は異議申し立ては認められないのが実情です。

ただし、いろいろなケースを見ていると、なぜこの事案で非該当なのか?というケースがあると同時に、とにかく不服である内容を書き連ねて異議申し立てをしたら、等級が上位に変更されたということもよくあります。

自賠責の認定はブラックボックスの部分がありますので、「おかしいな」と感じたら、一度は異議申し立てを検討することも重要です。

本来は、自賠責の調査事務所は診断基準をすべて開示した上で、その等級を認定した理由、あるいは非該当にした理由を「診断基準のこの部分に照らして、この要件をみたしていない。だから、こういう認定結果になった」という風に明らかにすべきですが、そうはなっていません。

非該当にされる場合や、低い等級に認定された場合に、高い等級を否定する理由は、「おきまりのフレーズ」が繰り返されるばかりです。

「不服があったら、異議申し立てをしましょう。ただし、そう簡単に認められるわけではありません。でも、簡単に認められる場合もありますよ。」

というのが、今日の記事の趣旨です。