郡山タワー法律事務所の弁護士三瓶正です。
自動車保険に加入するとき、手続を誰に依頼するか、実は重要です。
もちろん、最近はインターネット経由で直接申し込みも可能ですから、ネットで申し込みする方も多いと思います。
ネットで申し込む方法が決して悪いわけではありませんが、その場合は、自分で自動車保険についてある程度勉強する必要がありますね。
多くの人は、知り合いの保険代理店や自動車のディーラーを通じて保険を申し込むと思います。
この保険代理店が良い代理店か悪い代理店か簡単に見極める方法について説明します。
私が考える良い保険代理店は、保険の内容を熟知して、それを顧客にわかりやすく説明すること、顧客が求める内容の保険を適切に組むことです。
保険に入る側からすれば、保険料は安い方がいいに決まってます。
でも、多少保険料が上がっても、絶対に入るべき特約もあります。
保険代理店は、本当に顧客のことを考えるなら、単に保険料が安ければいいと考えるべきではありません。
ですが、今でも、「とにかく安ければいいでしょう」という提案しかしない代理店も実は多いです。
いい代理店か悪い代理店か、簡単に見極める方法。
それは、「弁護士費用特約」の付保率です。
つまり、自動車保険にオプションとして点ける弁護士費用特約をあなたの代理店が関与した契約でどのくらいの割合で加入しているか、聞けばよいのです。
弁護士費用特約のメリットは、すでに何度か書いていますのでここでは省略します。
そして、この特約は年に2000円から5000円くらいでつけられます。
安ければいいという代理店なら、まず顧客に勧めることはしません。
そうすると、そういう代理店は弁護士費用特約の付保率は低くなります。
弁護士費用特約の付保率はデータがないので詳しくはわかりませんが、おそらく、任意保険に加入している人の1割から多くても5割程度ではないかと思われます。
ですが、代理店によって、1割以下のところもあれば、ほぼ100%、弁護士費用特約をつけている代理店もあります。
代理店が、年間2000円から5000円の特約をつけるかどうかで、代理店が保険会社からもらえる手数料はたいしたことないとおもいます。せいぜいコーヒー一杯飲めるかどうかでしょう。
手数料のためにではなく、顧客が後で困ったことにならないように提案する力が問われています。
ここからわかることは、「弁護士費用特約」についてのことではないのです。
弁護士費用特約は必ず入った方がよいですよ、という提案ができる代理店は、最も重要な人身傷害保障特約についても、良い条件の物を提案するでしょう。
搭乗者傷害保険においても、倍額という特約もあります。このあたりも提案するでしょう。
現在の自動車保険はかなり複雑です。
代理店がきちんとした提案をしてくれないと、後で困るのは保険料を払っている「加入者」です。
良い代理店に巡り会うことも大切な要素です。ダメな代理店なら、きっぱりと別の代理店に変えましょう。
それから、細かい特約をつけると保険料が上がって嫌だと言う方は、車両保険をやめることをおすすめします。
人身傷害分は決してけちってはいけません。車両保険は最高で被る損失はその自動車の時価額ですから、せいぜい数百万円、高い車でも1千万円の時価額というのはまれでしょう(そんなに高い車に乗っている人なら車両保険はけちらないでください!)。
人身傷害分は、最悪の事態を想定すれば、数千万円、億単位の損害が発生することがあります。
寝たきりになって、常時介護が必要な場合は、介護費用が将来にわたってかかるのです。
想像したくないことですが、万が一自分がそういう状況になったとき、家族の負担を考えるなら、自動車保険は多少高くても最高のものに入りましょう。
ちなみに、人身傷害保険で「無制限」に入っても、年間保険料はせいぜい1万円くらいしか変わりません。
補償内容からすると、かなりお得だと思います。
こういう風に保険のことを説明していると、いっそうちの事務所で保険代理店をしてしまおうか・・・という気にもなってきますが、保険代理店業はしておりませんので、念のため。