まず、大切なことはきちんと治療をすること。

今発生している症状と治療がずれていないかを確認する必要があります。

事故発生後の早い段階で、症状が現れている部分については、全ての部位について治療をする必要があります。

事故発生後から、ある部分に痛みがあった。でも、その部分の治療はしていなかった。

ということになると、後になってから、治療を開始しても、「事故時から時間が経過しているので、この部分の傷害は事故とは関係がない」

という主張を、保険会社からされてしまうことになります。事故とのつながりを後から立証することは簡単なことではありません。

事故発生後、早い時期から治療を受けていれば、その交通事故の状況からすると、そういう症状がでるのもおかしくないという関係があれば、事故とのつながりが認められやすくなります。

個々の医師は、その分野の専門家です。ですが、医療の分野は高度に専門化されており、その分野の専門家でないとわからないこともあります。

弁護士は、決して医師のような医療の専門家ではないので、症状から原因がわかるわけではありませんし、どのような治療方法がよいかをアドバイスすることはできません。

しかし、「こういう交通事故があって、どの部分にどういう痛みがでている」ということから、こういう症状があるのではないか?と気づくことがあります。

その場合、その分野の専門家の医師にみてもらうことによって、今まで見落とされていた傷病が判明することもあります。

高額の損害賠償を得ることだけが目的ではありません。早期に見落としに気づくことによって、早めに治療を開始することができ、病状がよくなることもあるのです。