1 被害者

57歳・男子・タクシー運転手

2 傷害の内容

頸椎捻挫、腰椎捻挫、両肘打撲

3 後遺障害の内容

神経症状 14級

4 裁判所の判断

① 逸失利益について

裁判所は逸失利益を464万3873円認めました。

・基礎収入について

事故前の平均月収41万9519円に12をかけた金額を算定の基礎収入としました。

・労働能力喪失率、期間

「原告は、本件事故の後遺障害により少なくともその主張にかかる14%程度の労働能力を喪失し、その期間は症状固定時(59歳)から8年間にわたるものと認める」

② 後遺障害慰謝料190万円

5 コメント

本件後遺障害は耳鳴り等で14級と認定されました。そうすると、14%という労働能力喪失率は通常の14級が5%であることを考えると非常に高い率といえます。さらに、期間も8年間認めている点も、いわゆるむち打ち事案においては5年程度であることをこうりょすれば長い期間にわたっています。これは、原告は本件事故後タクシー会社を退職することを余儀なくされ、その後も症状の重さからアルバイト程度の仕事しかできないことが考慮されていると考えられます。