1 被害者

38歳・男子・会社役員

2 傷害の内容

 

3 後遺障害の内容

右膝十字靱帯損傷に伴う右膝動揺(10級11号)

右股関節脱臼骨折に伴う右股関節の機能障害(12級)

併合9級

 

4 裁判所の判断

①逸失利益について

・基礎収入について

本判決は、被害者の役員報酬の内、65%の733万2000円を労働の対価部分と認定し、休業損害と逸失利益の算定の基礎としました。

「原告会社の役員の構成、その出資者の構成に鑑みれば、原告会社は同族会社と認められること、原告太郎は、本件事故前、職人の差配、現場監督を行う外、自ら鳶職として現場作業にも従事しており、本件事故により休業したため、平成14年9月から平成15年6月までは給与の支給を受けておらず、復職後も、本件事故により現場監督及び鳶職としての稼働が不可能になったため、給与が年額780万円に減額していること、原告太郎の休業期間中、原告太郎が行っていた職人の差配、現場監督等の仕事は、丙川が行っているところ、丙川の本件事故前の給与は年額583万9,915円であり、原告太郎の代わりに職務を行ったことによる加給金額は月額5万円にすぎないこと、原告会社の売上、営業利益及び当期利益は、本件事故前、原告太郎の休業期間中及び原告太郎の復職後を通じて大差がなく、原告太郎の休業期間中の原告会社における人件費も216万9,070円増額しているにすぎないことなどを考え併せれば、原告太郎の原告会社の給料における労働の対価部分は、その65%の年額733万2,000円と考えるのが相当である。」

・労働能力喪失期間

本判決は、労働能力喪失期間を67歳までの29年間としました。

・労働能力喪失率

本判決は、逸失利益算定に当たり労働能力喪失率を40%としました。

② 後遺障害慰謝料 690万円

5 コメント

本訴訟においては、被害者はその症状から後遺障害は7級に該当し、労働能力喪失率は56%との主張をしました。同主張は認められませんでしたが、裁判所は自賠責と同様に併合9級と認定した上で、労働能力喪失率を40%と高い評価をしました。。