むちうちと後遺障害

  ひとくちにむちうちと言っても、その症状はいくつかの類型に分けられます。

なお、受傷直後においては、必ずしもどの類型にあてはまるのかは定かではないことと、医師の診断名が何であっても、それのみで症状が推定されるわけではありません。

被害者の中には、「外傷性」という言葉を診断名の前につけてもらうことに執心する人がいますが、あまり意味はありません。


① 捻挫型

  「寝違い」のように、頚部周辺の筋肉や靱帯の軟部組織が炎症したような場合のことです。

この場合は、頚部が痛い、頚部を動かすことができないという症状に留まります。

この類型は2,3ヶ月の治療で治癒するため、後遺障害の対象にはなりません。


② 神経根症型

  この類型は、頚部の痛み、頚部を動かすことができないという症状に加え、肩から手指にかけて、痛み、しびれ、重さ感、だるさ等の神経症状が現れます。

半年程度、通院してもこれらの症状は残る可能性があり、後遺障害の対象となります。


③ バレ・リュー型

  この類型は、自律神経失調の症状を現すものです。不眠、めまい、耳鳴り、難聴、頭痛等の症状が現れますが、麻酔科において、

星状神経節ブロック注射等を打つことにより改善される可能性があると言われています。つまり、適切な時期に治療をすれば改善を得られるため、後遺障害の対象にはなりません。

  麻酔科あるいはペインクリニックに行って、ご相談されることをおすすめいたします。

  なお、現実には、これらの症状は明確に分けられるものではなく、いろいろな症状が複合的に現れることもあります。

症状は事故から2週間程度で出尽くすといわれることがありますが、個人差があるようです。

ですから、事故直後では、将来どのような後遺障害が残るか、完全に治るかはわかりません。