人的損害 <消極損害>

人的な損害には、治療費などの「積極損害」の他に交通事故がなければ得ることが可能であったはずの利益の「消極損害」、慰謝料があります。

このページでは、消極損害について説明致します。

1 休業損害

○ 事故前の収入を基礎として、交通事故により休業したことによって、現実に減少した収入分を請求できます。

○ 専業主婦の場合は、賃金センサス等の平均的な賃金額について請求することができます。

○ なお、パートや内職をしている兼業主婦の場合は、
現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として計算します。

○ 事故当時、無職であっても働く能力と意欲があってたまたま失業していたような場合は、一定程度認められることがあります。

2 後遺障害による逸失利益

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間

によって、算出されます(中間利息が控除されます)。

(例1)

14級 むちうち 専業主婦40歳の場合

基礎収入355万9000円(平成23年女子学歴計賃金センサス)×0.05(14級の労働能力喪失率)×4.3295(5年のライプニッツ係数)

=77万0434円

※主婦の場合は、現実にお金を稼いでいない場合も、家事労働をする人がいなければ、外部にお金を払ってお願いしなければならない、その出費を免れている、という意味で平均賃金と同様の収入があるという計算をします。

(例2)

10級 右足関節の可動域制限 男子35歳・年収400万円の場合

基礎収入400万円×0.27(10級の労働能力喪失率)×15.8027(期間32年のライプニッツ係数)

=1706万6916円

※ライプニッツ係数とは、中間利息を考慮した係数のことをいいます。
つまり、本来は、毎年毎年の収入が得られるものを、損害賠償請求の際は、一括で今現在まとめて請求できるため、途中で運用利益が生じるはずだという前提で利息分を引いた形の計算となります。

※労働能力喪失率は、基本的に自賠責の等級表が基本となりますが、症状により変わります。

※労働能力喪失期間は、原則として、67歳までの年齢となります。ただし、14級のむちうちは5年、12級のむちうちは10年とされることが多く、さらに、被害者の症状によって変わります。

自賠責等級表の労働能力喪失率

1級から3級 100%

4級      92%

5級      79%

6級      67%

7級      56%

8級      45%

9級      35%

10級     27%

11級     20%

12級     14%

13級      9%

14級      5%

3 死亡による逸失利益

逸失利益は、被害者が生きていれば得られたであろう収入を将来にわたって計算します。

具体的には、
基礎収入額×就労可能年数に対応するライプニッツ係数×(1-生活費控除率)
によって、算出されます。

(例) 死亡時40歳・男性 ・年収600万円の場合

基礎収入額600万円、就労可能年数27年間(基本的に67歳まで)、27年に対応するライプニッツ係数(14.6430)、生活費控除率50%

600万円×14.6430×(1-0.5)=4392万9000円

逸失利益は、4392万9000円となります。

ライプニッツ係数とは、中間利息を考慮した係数のことをいいます。
つまり、本来は、毎年毎年の収入が得られるものを、損害賠償請求の際は、一括で今現在まとめて請求できるため、途中で運用利益が生じるはずだという前提で利息分を引いた形の計算となります。

生活費の控除とは、
生存していれば、収入のみならず、生活費もかかるということでその分はマイナスされます。
生活費の控除率は、男性か女性か独身か否か等により変わります。