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治療を打ち切らずに続けると慰謝料は減ってしまうのでしょうか？

質問

　保険会社の担当者から、治療を打ち切らずに続けると、その分慰謝料が減る、といわれた。そんなことあるの？

回答

　裁判所では治療費と慰謝料とはそれぞれ個別に算定されますので関係がありませんが、任意での保健会社の提示額は影響を受けることがあります。

　本来、事故により発生した損害の賠償について、（過失の考慮等を除けば）発生した損害を全て賠償するのが原則です。その場合の金額算定は、治療費や慰謝料等、損害の各項目を個別に算出し合算することで求めることが通常ですが、保健会社の提示段階では別の事情が考慮されることがあります。

　詳細はここで述べませんが、自動車賠償保険には任意保険と自賠責保険があり、発生した損害についてまず自賠責から負担、なお賠償されない部分がある場合に任意保険会社が保険金を支払う、という関係に立ちます。そのため、実際には通常被害者の対応にあたるのは任意保険会社ですが、任意保険会社は被害者に保険金を支払った後、自賠責保険分については任意保険に請求し回収できることになっています。

　そのため、任意保険会社からの提示は自賠責からの回収を考慮したものとなりがちで、自賠責には支払額に上限があるためその範囲に収めるために治療費が増額した場合に他の部分でそのことが考慮される、といったこともあるということになります。

　もちろん、それはあくまで保険会社の理屈ですので、裁判所はそういった考慮はせず、損害全額の賠償を命じることになりますので、自ずと裁判所の金額の方が高くなるということになります。

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