死亡事故の場合の損害
亡くなられた被害者の方が、家族の中でどのような立場にあったかによって金額が変わります。
もちろん、ご家族の中の誰が亡くなられてもその悲しみの量には変わりはありません。
ですが、結果として慰謝料が変わるのは、慰謝料が今後の残された家族の生活の原資となる側面があることが考慮されています。つまり、一家の収入から見て中心的立場にあった人が亡くなられた場合は、残された家族はその人の収入に依存する面が大きく今後の生活が容易ではなくなることがおおいため、高額の慰謝料が認められることになります。
次の金額は裁判基準をベースとした死亡の慰謝料の金額です。
一家の支柱であるときは、2800万円(2800万円から3400万円の幅)
母親、配偶者は 2400万円(2400万円から3200万円の幅)
子ども、独身の男女は2000万から2200万円(2000万円から3200万円の幅)
がベースとなり、個々の事情により増減されます。相手方の事情により慰謝料が増額されることがあり、これは被害者が主張しなければ認められませんので、注意が必要です(酒酔い運転、無免許、スピードの出し過ぎ、不誠実な態度等)
保険会社から示談の提案があった場合は、
当事務所では、請求可能な金額を無料で算定いたします。お気軽にご相談下さい。
2 逸失利益
逸失利益とは、簡単に言うと、その交通事故や労働災害などがなければ、将来的にこれだけの収入を得られたはずなのに、事故があったために収入が減少することになってしまった、
という場合の、「得られたはずなのに得られなくなった収入」のことを言います。
例えば、死亡した場合は、その後に仕事をして収入を得ることは全くできなくなってしまったので、労働能力は100%喪失します。
したがって、死亡したときから原則として67歳までの収入減少分を加害者に請求できることになります。
ただし、将来分を一括して今受け取るのですから、単純に一年間の収入×67歳までの期間で計算してはダメなのです。
中間利息といって、利息が控除されます。実務上は、ライプニッツ計算式という年5%複利の計算により利息が控除されます。
20年後に働いて、もらう年収300万円を今もらえる。
19年後に働いて、もらう年収300万円を今もらえる。
と言う風に、本当は生きていても、そのお金がもらえるのは、ずーっと先のことなのに、それを今もらうと言うことは、本来もらえる20年後のときまでには、
そのお金を運用することができるんだから、その運用利益はあらかじめ損害額から引いておきますよということです。
もちろん、現在のような低金利時代にあって、運用すると言ったって、1年ごとの利子はそれほどたいしたことはないので、年5%の運用益を見込んで、かつ、複利というのはおかしいと
思われるかもしれません。
そのような、批判も当然あります。ですが、現在の運用は年利5%の複利で中間利息をひくという運用は変えられていません。
なお、逸失利益は、原則として67歳までという説明をしましたが、もちろん例外があります。
たとえば、60歳の人が死亡した場合に、逸失利益は7年だけかというとそうではありません。67歳になるまでの期間とその人の平均余命を比較して、長い方を算定期間の基礎とします。
ですから、理論上は逸失利益は何歳になってもゼロにはならないのです。
また、逸失利益が問題になるのは、死亡の場合だけではありません。
1級、2級、3級、4級、5級、6級、7級、8級、9級、10級、11級、12級、13級、14級の後遺障害の場合でも、
逸失利益は発生します。ただし、これらの後遺障害の場合は、死亡とは違い労働能力喪失は必ずしも100%ではありません。
等級毎に何パーセントの労働能力を喪失するか決まっています。それから、労働能力喪失期間も、その等級によって変わります。
14級の神経症状(とくにむちうち)なら5年程度、12級の神経症状(特にむちうち)なら10年程度とするのが一般的です。
それ以外にも、症状に応じて調整されることがあります(変形障害の場合など)。
逸失利益は、損害賠償請求の中では、慰謝料と並んで大きな損害となります。
示談する際には、弁護士等の専門家に相談して、十分に納得してから示談した方が良いと言えます。
当事務所では、交通事故の初回相談は無料で行っています。
○逸失利益算定の基礎収入について
①現実に働いている場合は事故前の年度の収入額を基本に計算します。
②現実に働いている場合でも、概ね30歳未満の若年者の場合は、将来、収入が増える可能性が高いので、賃金センサスを基礎収入として計算します。
③主婦などの家事従事者は、現実の収入がないときでも、賃金センサスの収入があるものとみなして、計算します。
④事故時においてたまたま無職であった人については、勤労意欲、就労可能性等を考慮して、計算します。
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当事務所では、訴訟にした場合の請求可能な金額を無料で算定いたします。
お気軽にご相談下さい。
※ライプニッツ係数とは、中間利息を考慮した係数のことをいいます。
つまり、本来は、毎年毎年の収入が得られるものを、損害賠償請求の際は、一括で今現在まとめて請求できるため、途中で運用利益が生じるはずだという前提で利息分を引いた形の計算となります。
※生活費の控除とは、
生存していれば、収入のみならず、生活費もかかるということでその分はマイナスされます。
生活費の控除率は、男性か女性か独身か否か等により変わります。
生活費控除率は、原則として一家の支柱 及び女性の場合は、30%から40%、
その他は50%。
年少女子について、逸失利益算定の基礎となる収入額を男女を合わせた全労働者の平均賃金で算定する場合は控除率45%程度になります。
死亡事故の場合の損害
家族の誰かが、不慮の交通事故で亡くなられた場合、残念ながら亡くなった人を返してもらうことはできません。
弁護士がお手伝いできることは、残された家族が生活できるように、あるいは亡くなられた方の無念さを損害賠償金という形で適正な金額を取得することです。
死亡の場合に認められる損害は次のとおりです。
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