脳12・20代男性・高次脳機能障害等・併合2級・1億5700万円を回収した事例

1 被害者の属性

 20代男性、会社員

2 事故の態様

 夜間、片側二車線の直進道路で、走行してきた相手方と道路を徒歩横断しようとした被害者が衝突した事故(仕事中)。

3 傷害の態様

 右硬膜外血腫、右側頭骨骨折、椎体骨折、左臼蓋骨折等

4 保険会社の提示

 当初から、加害者側は被害者の過失が大きいとのことで、責任はないと言い張り、保険対応を一切しませんでした。ですので、当初、治療費は労災から、休業損害は会社が仮払いという対応をしていました。

5 当事務所受任後の解決

 まず、ご家族が加入している自動車保険等で使えるものがないかどうかすべて確認したところ、同居の祖父の自動車保険が使えることが判明したため、その自動車保険に人身傷害保険金の請求をしました。

 自賠責保険の後遺障害認定を受け、頭部外傷後の高次脳機能障害について「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、就寝労務に服することができないもの」として別表第二3級3号、脊柱の変形障害について「脊柱に変形を残すもの」として別表第二第11級7号との認定を受け、別表第二併合第2級の認定を受けました。

 人身傷害保険会社から人身傷害保険金及び後遺障害2級認定による自賠責保険金を受領した後、残りの損害を請求すべく相手方に対して訴訟(裁判)を提起しました。

 本件の争点は大きなものだけでも①後遺障害逸失利益の算定の基礎となる本人収入額の判断、②将来の介護の要否、介護に要する費用額の算定、③過失割合、④労災保険金の控除範囲等といったものがありました。本件は請求金額も大きく、また上記を含む各争点について互いに譲歩することが困難ということで訴訟でも和解には至らず、判決となりました。

 判決では上記各争点について、①20代と若年であり昇給等により事故時点以上の収入を得ることが予想されたことから大卒男性(600万円以上)の平均収入を用いるとの判断、②被害者家族による介護が行われることを前提に日額4000円で平均余命までの介護費用を認定するとの判断、③被害者本人が走って道路に進入した、相手方が衝突前にクラクションを鳴らした等の相手方主張の事故態様を否定し相手方の過失が大であるとして、被害者の過失を3、相手方の過失を7と判断、④後遺障害に関する労災保険金(障害補償年金)について、裁判時点で支給決定がされている決定通知から一年後までの部分のみを控除の対象としその余の将来支給分については控除対象としないとの判断が、それぞれ示されました。

 最終的に、事前に人身傷害保険会社から支払われていた人身傷害保険金及び自賠責保険金の合計約1億2000万円、判決までに本人に支払われていた労災保険金約1800万円及び本人に支払われていた厚生年金保険金約800万円を除き、相手方から被害者に対して新たに約3700万円が支払われることで解決となりました。弊事務所で対応したものだけで1億5700万円の回収ができました。

 

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